ロボットプロジェクト基礎1(2年生科目)・シカケコースのプロジェクトが,技術的アプローチの元,図書館PR動画の制作に取り組んでいます.
日本文理大学の図書館には約31万冊にも及ぶ書籍が所蔵されており,開架やPCルームなど,自習に最適な場所がいくつも存在します.
しかし,昨年度は遠隔講義が推奨されたことで,例年通りに図書館ツアーが開催されませんでした.
そのため,図書館ツアーの代替として,図書館紹介ビデオがリメイクされました.
しかし,作成された動画の構成は10年以上前のものであり,紹介動画としては秀逸ですが,PR動画にはなれていません.
そのため,ロボットプロジェクトシカケ班のメンバーは,技術的な観点である「シカケ」を活用し,図書館PRのお手伝いすることにしました.
始めに,チームでの活動を円滑にするため,Teamsというコミュニケーションツールと,Trelloというタスク管理ツールを活用することに決めました.
続いて,前回どのような動画がリリースされたのか知るため,レビュー会を行いました.
レビュー会の結果,「情報量は多いが,面白くない」という結論に至り,早速実装設計を行い,面白い動画創ろうという方向性になりました.
そのため,AviUtlという動画編集ツールや,CoeFont_STUDIOという合成音声ツールの扱いを先輩から教わり,動画を創る準備を整えました.
次に,意識の統合を目的とした,図書館観光を行いました.
昨年は遠隔講義だったため,当時一年生だった面々は図書館観光ツアーの経験がなく,図書館設備や使い方などを初めて知り,魅力に気づいたようです.
そのため,ただ動画を面白おかしくするのではなく,図書館の魅力を正しく発信する事で,面白い動画にしようと,方向性に変わりました.
そこで,正しく情報を伝える,技術的アプローチとして,先輩から,アクセシビリティJISの読み解きを提案されました.
元々面白い動画を創る予定で,プロジェクトに参加した学生としては,動画制作ではなく,規格の読み解きが主な活動内容になることで,著しいモチベーションの低下がみられました.
しかし,学生らは規格を読み解くにつれて,普段ネットで見ている動画と地上波で流れている番組の差を実感し,今回のプロジェクトが遊びではなく,大学公認だという責任を自覚していました.
その後,アクセシビリティJISを読み解けたか確認するため,達成基準チェックシートの作成に取り組みました.
後日,作成したチェックシートを元に,先輩が創った動画と,規格を理解する前の動画を比較し,動画のデザインの変化から,見やすくなっていることを実感していました.
しかし,作成した達成基準チェックシートは誰のためにもならず,副産物であるプロトタイプ動画の方が価値があるのでは,と誤認する学生もいました.
そのため学生らは,視点によって重要な成果物が変わる事を先輩から諭され,学生にとって大きな学びのあった活動であると感じています.
ロボットプロジェクトの活動を通じて,学生らは趣味と実務の違いを知り,責任感を持ちました.
さらに,コンテンツ制作にとって大切なものは,小手先の実装技術だけでなく,背景調査や前提知識の習得も重要であると実感できたと思います.
今期では動画の制作にこそ至りませんでしたが,科学的なアプローチを知り,後期こそ全ての利用者に伝わる,図書館PR動画を創り上げてくれると期待しています.