Topics2022/09/29

アンチエイジングと情報メディア?!

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 アンチエイジング(抗加齢)・健康寿命は多くの人の関心事です.この抗加齢を専門に扱う学会として「日本抗加齢医学会」があります.この日本抗加齢医学会の第22回総会が2022年6月17日から19日に大阪国際会議場/グランキューブ大阪を会場に開催されました.
 情報メディア.....と一体どういう関係があるのでしょう?
 実はこの学会のセッション(1つのテーマについて関係する発表を集めたもの)に「睡眠とアンチエイジング」があります.人間は睡眠中に抗ストレス・抗加齢に必要な物質の源である「メラトニン」を分泌することが医学的に知られています.それは「睡眠の質」により分泌量が変わります.しかし,医学的な「検査」だけでは「実際の睡眠の質」を調べることはできません.
 ...「調べる」には例えば糖尿病を患っている方が血糖値をモニタする装着デバイス(例:FreeStyle Libreがあります.....でも針を刺すのに抵抗がありませんか?
 そこで,装着デバイスにとってかわる「システム」を考えてみます.
 システムは,現象(ここでは睡眠中のメラトニン分泌という生理現象を考えます)は,その際に「血中の成分変化」を生じますが,直接計測することが難しい....でも実際にはさらに副次的な現象を生じていると考えられます.例えば素敵な夢を見ていると表情が笑顔になったり...というものです.でも,何がどう対応するかがわかりません.
 これを考えると「元の現象」が「何かの現象」とつながっている...すなわち「現象が伝搬するメディア」を見つければいいということになります.
 このため「寝ている時に生じる現象」かつ「スマホ等で手軽に測れる」を発見することを目標に「情報メディア」の技術である「計測と分析」で挑んでいます.「計測」はカメラやマイクで「世界の出来事をデータ化する」というもので,スマホが「歩数」を「歩く動作から歩数という数値/データにする」ようなものです.そこで集まった「どれが関係するかわからない膨大なデータ」...ってビッグデータのようなものです.そこから何らかの法則性を見つけ出す....ってデータサイエンスやAIの学修と同じことを,睡眠時の現象に当てはめてみているということです.
 今回は動画コンテンツとしてもなじみ深い「スタジオの建材の1つ」によって睡眠の質が向上するかを調べる際に収集したデータの分析結果から「可能性」を発見した結果を報告しました.
 工学と医学がタッグを組むと,健康寿命にも貢献できる...かもしれません.これからの研究成果にご期待ください.

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