Topics2021/03/11

学生が学会にて日頃の成果を発表しました

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 2021年3月10日から12日の三日間に渡って開催された日本音響学会2021年春季研究発表会がオンラインで開催されました.この学会では次に2通りの発表形式で,全14会場(に相当するZoomチャネル)で開催されました.
1)口頭発表(発表スライドを使って発表時間と質問時間が分かれて行われる発表形式)
2)ポスタ発表(事前にポスタが提示され,持ち時間に来た人(ZOOMのブレイクアウトルームという機能を使いポスタ毎に直接話せます)にポスタの補足説明をしたり質問したりする発表形式)

 学生は「2)ポスタ発表」で日頃の成果を発表しました.「1)口頭発表」では,一度に多くの人に聞いていただくことができるものの,質問やコメントを頂ける時間が5分程度しかありません.「質問怖くない?」と思う人もいるかもしれませんが,本気で取り組んだ成果が「さらに良くなるヒント」や「応用方法のヒント」が手に入るチャンスを逃したくないと思いませんか?質問が怖いのは「試験」のように思えるからではないでしょうか?
 学校では「先生」が答えを知っていて「正解/不正解」を判定することがあります.しかし,大学で取組む「研究」では「答え」がないものもあります.もし全てに答えがあるならば「B級」や「売れない」なんてないはずですよね.研究では「困っている課題」に対して知恵を絞って「解決策」を産み出すものです.もちろん大学では「そういう取組みが出来る様に」講義を受けつつ実践する機会があります.全員が画一的にではなく,例えばコース,例えば課内・課外活動という「チャンス」に自ら飛び込みつつ「自分はこれがしたかったんだ」に到達していきます.
 そうなると「質問タイム(発表者からベテラン研究者に逆質問もできます)」は「できればじっくり時間を取りたい」と思いませんか?
 今回発表した学生はそんな思いから「2)ポスタ発表」を選択しました.
 大学の卒業研究発表も,第1部は「1)口頭発表」,第2部は「2)ポスタ発表」となっており,第1部は文部科学省が掲げる学士の質の保証,第2部は後輩にしっかり技術を伝えることで「社会に羽ばたく最終準備」兼「研究の継続性」がはかれるようになっています.
 卒業後も大学では訪れるOBが多い理由も「自分の研究どうなったかな?」と気にする人がいるからかもしれません.

 さてこの学会,実は,1)技術動向レビュー2)ビギナーズセミナ3)賛助会員と学生との交流会,というイベントも開催されました.

 1)技術動向レビューでは「第1線でご活躍の方」が,どんな社会課題がありそれに対して業界としてどういう技術展開で解決策が提案されているか,という技術の動向に関して報告がなされました.Webサイトでは中々手に入らない貴重な「現場・現実」の情報が交換されました.

 2)ビギナーズセミナでは,これからその分野に進もうとしている人が集まり,学会発表ではちょっと聞きづらい「初歩的なところ」や,先輩学生が経験したノウハウ,等が研究室や大学の垣根を越えて情報交換されました.

 3)賛助会員と学生との交流会では,賛助会員の中から,(株)アドバンスト・メディア(株)カプコンソニー(株)TOA(株)(株)プロンテストLINE(株)リオン(株),が参加され「企業説明会」等では聞けない「もう一歩踏み込んだ内容」をディスカッション形式で情報交換されました.同世代の学生も参加するので「そこまでやっているんだ」と思うところや「ここは俺の方が」と思うところがあり,「本気で狙う」のに「今の自分に何が必要か」に気付ける貴重な情報交換の場です.

 学会で成果を発表した学生は,自ら発信した以上に多くの気付きやアドバイス等を頂くことが出来ました.参加した学生の中には自分なりの目標を見出した人も居ました.学校での学びと,産業界での取組みを両方知ることが大切だなと実感できるひと時でした.

 これからの彼らの活躍が楽しみです.