Topics2019/08/29

「福祉」と「情報メディア」?(福祉のまちづくり研究所を訪問しました)

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 「福祉」というと「情報メディアとどんな関係があるの?」と思う人がいるかもしれません.しかし,私たちの生活に深く根付いた「情報」が関係しない分野はあるのでしょうか?とは言っても,正直中々想像つかない人もいるかと思います.
 例えば一人暮らしをして食事を作ろうと思ったとき,例えばクックパッドを使うことを考えてみましょう.作り方がわからない(作れない)人に適切なタイミング(材料を入れる等)をサポートしてくれたら,初めてでも上手く作れそうではないですか?
 福祉を「手伝いが必要な人のケアをする」と考えると「情報メディアにできる事」ってたくさんあると思いませんか?音楽で励まされたりすることがありますからね.
 そういう意味で福祉と情報メディアは実は多く点で接点を持っています.その関係で,今回兵庫県にある福祉のまちづくり研究所に伺いました.ここには,福祉用具展示ホールがあり,音声で会話できる人型ロボットやぬいぐるみから,スマホやタブレットを使ったアプリまで,様々な展示が行われており「実際に使ってみる」ことができました.大分にも大分県社会福祉介護研修センター・福祉用具展示場があります.お伺いした研究所では「出来上がった製品の展示」だけでなく,研究部門があるのが1つの特徴となっています.研究所の所長である陳 隆明 先生は「国際義肢装具協会」という国際的な協会が開催する世界大会「ISPO2019(第17回国際義肢装具協会世界大会)PDFパンフレットはこちら)」の現地実行委員長を務めれています.
 義手・義足というと「メカ」という印象がありますが,「それを使うことで自立した生活を可能とする大切な装具」です.しかし,それらを導入するだけでは自立した生活を送ることが出来るとは限りません.そのため,義肢装具・自立支援機器・リハビリテーション工学・医療福祉に関して,医師・義肢装具士・セラピスト・エンジニア・介護職など多くの人が協力が必要となります.
 そこで,情報メディア学科・情報工学コースで産声を上げた技術が役に立つのではないかということで研究所を訪問しました.きっかけは共同研究している大分市内の企業(シェルエレクトロニクス株式会社)が先ほどの世界大会で企業展示ブースへの出展に関することからでした.展示する製品の話がきっかけで現在進めている共同研究の話が出て,何かお役に立てばということから,今回の訪問となりました.打合せの結果,もしかすると情報メディアで産まれた技術が「永続的に誰もが笑顔で活き活きと暮らせる社会」に「情報技術」として貢献できるかもしれません.
 ご興味を持ってもらった技術はオープンキャンパスでも展示しています.興味のあるかたは是非お声がけください.